モードの正体を明かすために、少し角度を変えて説明していこう。
人にはさまざまな個性があり、「勝負スペース」もそれぞれ異なる。
勝負スペースは私が作った概念で、最良のパフォーマンスを要求される物理的なスペース、という意味だ。
レスリング選手にとって、勝負スペースはレスリング・マットの上だ。
エグゼクティブにとっては、勝負スペースは会議室。
歌手にとっては、ステージの上だ。
自分の勝負スペースを把握すれば、いつスイッチを入れていつ切るべきかもわかってくる。
正しいモードはひとつではない。

あなたがトレーダーなら、証券取引所の始業時間には標準的なモードでいたいはずだし、不測の事柄が起きたときには、少し鋭いモードに切り替える必要があるだろう。
経営者なら、従業員にプレゼンテーションをするときや、営業会議や交渉に参加するときのモードを整えたいはずだ。
大使館勤務なら、雑談やスピーチの際に最高のパフォーマンスを望むだろう。
スポーツ選手なら、大会はもちろん、大会を意識した厳しいトレーニングの場が勝負スペースだ。
したがって、非常に重要なのが、勝負スペースでどんな自分になりたいかを知ることだ。
そのために、自分にとって効果的な感情を突き止めなければならない。
あなたはベストの状態のとき、どんな人になっているだろう。

最高のパフォーマンスをするための感情を整える

マイク・タイソンは駆け出しの頃、対戦相手が誰であれ、自分の最高の水準で戦うためには、「攻撃的になる」必要があることを悟った。
もっとも闘争心がむきだしで危険な状態のときに、最高のボクシングができるのだ。
対戦相手の態度やテクニックにかかわらず、防御よりも攻撃優先で戦う。
それが彼にとってのモードだったのだ。
だから彼はリングに入る前に、怒りをたくわえ攻撃的になることに多くのキャパシティを使った。
テクニックについては考えなかった。
すでに身体に染みこんでいるので、どんな場合でもすぐれたテクニックを使ったボクシングができる自信があったのだ。
「蝶のように舞い、ハチのように刺す」で有名なモハメド・アリは、まったく違うモードを持っていた。
彼は早い段階で、リラックスしてふざけているときに調子がいいことに気づいていたのだ。
穏やかな語り口で冗談をたくさんまじえて話し、リングに上がる前は黙って集中した。
先ほども例に出した短距離走のウサイン・ボルトは、二〇一一年に韓国で開催された世界陸上競技選手権大会で、大失敗をした。
私は、スタート前のモードを変えたことと関連があるのではと思っている。
カメラの前でニコニコと冗談を言ったりポーズを取ったりするいつもの姿が、このときは見られなかったのだ。
ボルトはスターティング・ブロックに足を置く直前に、突然何かを叫んだ。
深刻な表情で、二秒ほど気合を入れてアドレナリンを身体にかけめぐらせた。
彼が叫んだのはふた言か、多くても三言だ。
それでも最適なモードを崩すには十分だった。
彼はスタートでフライングし、まさかの失格となった。
北京オリンピックでのボルトはもっとリラックスし、落ち着いていて楽しそうだった。
そして、いつものようにいい走りをして、男子一〇〇メートルと二〇〇メートル走の両方で金メダルを獲得した。
ロンドンオリンピックでも、やはり大会中にふざけてリラックスしていた――結果は金メダルだ。

いくつかの感情を同時に抱えることでベストを出せる

スポーツ選手には、いくつかの感情を同時に抱えることでベストを出せる選手もいる。
レスリングのスティグ・アンドレ・ベルゲが好例になるだろう。
彼のモードは、自信、攻撃性、「ウィンク」。
試合の一時間前に、肯定的な言葉をつぶやくことで、自信をみなぎらせる。
「俺はタフだ、悪人だ。最強のレスラーだ、俺は強い、不屈だ」とくり返すのだ。
さらに、勝利した試合の映像を頭のなかでくり返し再生する。
たくさん笑い、試合で戦うのが楽しみだと言って、周囲の人とジョークを飛ばす。
試合が始まる約一〇分前には、攻撃的な言葉を発する。
罵り言葉を言ったり、対戦相手の負けを口にしたりする。
厳しい表情をして、自分の顔を平手うちし、うなり声を上げ、不平を言う。
そして、マットに上がる直前に、トレーナーにウィンクをして、熱気をさますのだ。
ベルゲは、こうして呼び覚ました複数の感情を持ってマットに上がる。
どんな連勝記録を持つ対戦相手とも戦い、一瞬の疑念もなく叩きのめすには、何よりも自信が必要だ。
彼の場合、攻撃的になっても、戦術やテクニックは影響を受けない。
むしろ、自信と攻撃性がまじり合うことで、さらに強く、すばやくなれる。
マットに上がるときにウィンクをすることで、喜びの感情も加わる。
これは、緊張を緩和するのに役に立つ。
モードに入ることに集中し、ほかの考えをよせつけない。

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